自動巻き時計全盛期の今でもなお、パネライは20世紀のルーツを忘れていない。その手巻き式モデルをコレクションしたいって? それなら、この記事を読もう。
パネライを部屋のどこに置いても見つけられるのは、その大きさのおかげだ。パネライ 芸能人XXLケースとそれに対応するリューズガードは、ブランドの名刺代わりになっているし、いわゆるデカ厚時計へのトレンドを生み出すきっかけにもなったわけだが、ブランド黎明期からパネライを特徴づけている別の要素がある。それは、昔ながらの手巻き時計だ。
パネライの北米社長であるフィリップ・ボネイ氏は、90年代後半にパネライが軌道に乗り始めた頃から在籍しているが、彼が販売しようとしたスポーツモデルのほとんどが手巻き式であったため、小売店が困惑したことを覚えているそうだ。彼らは、自動巻きムーブメントを選り好みするよう他ブランドからしつけられており、パネライにもそのようなムーブメントはあったものの、あくまで独自路線を追求していた。
20世紀半ばにコルトベルト社製ムーブメントを搭載した、ロレックス製のヴィンテージウォッチから、アンジェラス社製8日巻きキャリバーを搭載したモデル、そしてのちにユニタス社製ムーブメントを搭載したモデルまで、パネライのリューズで巻き上げるムーブメントに対する偏愛は、ブランドの特徴として我々の脳裡に焼き付けられた。